2005年04月19日

シュタイナー教育への迷い

最近、某早期教育システムの指導者である私の母から、「ユズにも今のうちから何かやらせておいたほうがいいよ。」とちょこちょこ言われるようになって来ました。私たち姉弟3人がお世話になり、それがきっかけで指導に携わることになった教材なので、母にしてみたらユズのために、と心から思ってくれているのだと思うのです。私自身もこの教材にまじめに取り組んだおかげで、『学校でいい成績をとる』ということに関してはある程度の成果があったと思っています。

ですが、ユズには少なくとも今すぐこの手の教材をさせるつもりはないし、おそらくその後もお世話になる可能性は低いかな、と思っているのです。

ユズが生まれてから、シュタイナー教育以外にモンテッソーリ教育や早期教育を実践しているいくつかの団体について調べたり、書籍を読んでみたりした結果、大人が一方的に刺激を与えるのではなく、子どもの内側から芽生えてくる力を信じて見守りたいというのが私の考えなのです。

でも、母の申し出を無下に断るとことは、母の仕事やこれまでの子育て自体を否定することにもなりかねないので、我が家の教育方針をどのように伝えたらいいのか…と思っています。今のところは「そのうち考えるわ〜。」なんて気のない返事をしてはぐらかしたりしています。

そうは言うものの、もしユズが公立の学校に行くことになれば、それに合わせてこういった方法も必要になってくるものなのかもしれないなという気もしないではありません。


ユズの幼稚園はシュタイナー教育実践のところに入れようと、私たち夫婦の間ではほぼ決まっているのですが、問題はその先です。
残りの12年もシュタイナー学校で通すか、日本の学校教育制度に則ったところに通わせるか…。

シュタイナー教育関係の書籍を読むと、本当に理想的な教育に思えてしまうのですが、私が気になる部分というのは、そこから巣立ったときに日本の社会に適応していけるのか、というところなのです。生まれてから18年もの間、ひとりひとりの個性を大切にされ、他人との比較で評価を受けるようなことはなかった人が社会に出たときに、たとえば会社勤めなどをすれば、基本的には他人との相対評価を受けることになるだろうし、社会生活においては個より集団を優先しなければならないことばかりだと思うのです。そんな事実に直面したとき、ギャップを埋めることができるのだろうかという疑念を持っているのも確かです。

シュタイナー教育を受けた人はフリーランスになることが多いと聞いたことがありますが、それはそうした社会の枠組みに頼らずとも自分で道を切り開いていけるだけの確固たる『自分』というものをもっているからなのか、それとも適応できなかったという事実なのか…。日本において、シュタイナー教育を受けた人がその後どのような道を歩んでいらっしゃるのかという情報がもう少しあれば、と思います。


夫も最近になってシュタイナー関係の書籍を読み始め、「ユズがシュタイナー学校とは別のところでできたお友達と接していく中で、他の子たちと自分とは何か違うと疑問を持ったときにどう埋めていってあげたらいいんだろうね。」と言っています。夫もシュタイナー学校ではないのですが、教科書や成績表のない小学校を出ているので、高学年になって塾に行き始めたとき他校の友人達の話を聞いて、「成績表」がないということをネガティブに捉えていたそうです。その後、中学校は公立のところに行き、そこでもやはり今までとのギャップの大きさに悩むことになり、部活動に専念することで(自分の得意分野を見つけることで)少しずつそういった気持ちを昇華させていったようです。そんな自分自身の経験からも夫は、シュタイナー学校にユズを入れることに関してとても慎重です。

広瀬牧子さん(ご主人はシュタイナー人智学を専門とされる大学教授)の著書『続・我が家のシュタイナー教育−児童期・青年期編』を読むと、公立の学校に通っていても、こんな風にうまく家庭でシュタイナー教育を取り入れて行けたらいいなぁと思うのですが、私が上手に実践していけるかどうか分からないし、未知なる『理想』を貫いてみたいという思いもあるし、そして、どちらの選択をしても実際その環境においてユズがどういう反応を示すのかもまだ分からないし…ユズの様子を見守りながらまだまだ悩み続けることになりそうです…。
この記事へのコメント
遅くなりましたが、お話したくて来ました。私は、まだまだ全くシュタイナーを語れるほど勉強もしていませんので、参考になるかもと思ったHPをご紹介に来ました。すでにご存知かも知れませんが、「バンビーノバンビーナ」というHPの掲示板はなかなか参考になると思います。みなさんは、sayahさんのように子どもに起こること一つ一つに自分なりの答えを一生懸命に考えていらっしゃいます。何か参考になるといいのですが。
Posted by さくらこ at 2005年04月21日 23:24
さくらこさん、お返事遅れてごめんなさい!

いつも助けてくださりありがとうございます。
「バンビーノバンビーナ」さん、拝見したことはあったのですが、BBSは読んだことありませんでした。これから少しずつ読んでみたいと思います。

それから、日記は別ブログに書くことにしました。BBSも作ってみたので、またよろしければさくらこさんといろいろお話したいです♪
Posted by sayah at 2005年04月23日 22:56
Sayahさん、

 こんにちは。シュタイナーの学校を出たらどうなるか。特に日本で。私も、実はこれがシュタイナー教育の「引っかかる」ところなんです。ちょっと私の体験(?)をお話しますね。

 私は日本で、アート系の編集プロダクションに勤めていたことがあって、芸術家の卵の人たちと沢山出会う機会があったのですが、そこでシュタイナー系の高校を出たばかりの3人の女の子と知り合いました。どの子もとてもユニークで独特の雰囲気を持った子で、みな何らかの「芸術家」を目指していました。1人の子はとても早熟で、詩集を出したり、パフォーマンスに参加したり、才能を感じさせましたが、ものすごく繊細でもありました。1人の子は舞踏にハマり、ワークショップで全裸の上に金粉を塗る等の体験をしていました。もう1人の子は版画をしていたと思います。

 私自身はその子たちが大好きだったのですが、果たしてこうした「芸術家」指向が、本人の内側から生み出されたものなのか、あるいは学校教育によって生み出されたのか、判断がつきませんでした。日本ではご存知のようにアーチストとして生きるのは大変なことですし、また自分に不向きであるのに、誰の心にもある「アート」を特に刺激されて育ったためにそうした選択に至ったとしたら、「苦労するようなあ」と思いました。
10年ほどがたった現在、彼女たちがどうしているかは、残念ながら分かりません。

 また、ユニークな感性を持っているので、「誰とも仲良く」というよりは、「同じ匂いの人を探して生きる」ようになるだろうとも思います。

 シュタイナー系の学校に入れることによって、その時点で親は子供に何らかの「色づけ」をすることになる、と私は思います。それを分かった上で、シュタイナー教育のメリットを信じて託すならば、その結末がどのようなものであっても、受け入れる決意が必要だろう、と感じています。

 
 
Posted by うずめ at 2005年04月27日 03:03
うずめさん、貴重な体験談ありがとうございます!

シュタイナー系の学校に入れることが「色づけ」することになる…確かにある意味ではそうだと思います。良きにつけ悪しきにつけ、芸術的な傾向に偏るということもあるのかもしれませんね。

身近にシュタイナー学校に行っている方も卒業した方もいらっしゃらないので、本を読んだだけのわたしにとってシュタイナー教育を受け続けることで出てくる弊害というものが、イメージしにくい部分もあります。

ですが、それ以上に子どもを実験台にしているような日本の学校教育制度のあり方や、学校給食の問題などが私にとっては気がかりなんですよね…。

今の日本の現状を考えると、やはり周りに足並み揃えていたほうが生きやすいのかもしれませんが、個性や能力を尊重していくような方向に時代の流れが向いてきていることにちょっぴり期待を抱いています。でも、国民性まではそんなに簡単に変わらないかもしれないし、20年後の日本の社会はどうなっているんだろう…。

ユズが学校にあがるまでの4年間じっくり考えたいと思います。親の選択が子どもの人生を左右すると思うと、ホントに責任感じます。
Posted by sayah at 2005年04月27日 22:58
はじめまして。smileさんから遊びに来ました。私は娘に早期教育をし、その後娘の様子やシュタイナー教育の本などを読み、今はやめています。

ウォルドルフ人形を作りを教えてくれた講師のお子さん二人(現在、高3、高1)がシュタイナー幼稚園を卒園し、その後は普通の学校で生活しています。その幼稚園では卒園1ヶ月前に文字を教えるそうです。子どもは興味があって、卒園までに皆あっという間に楽しく覚えてしまったそうです。

広瀬先生のように上手に取り入れられるといいですが、やはり先生のところもご主人がシュタイナーを研究されていたとのことで、普通の家庭とは違いますよね。

また今はゆとり教育などで、「何もしない」ことへの不安もあります。娘はまだ2歳なので変わっているかもしれませんが、、、今は文字も数も私からは教えない方針ですが、迷うことが多いです。
Posted by myu at 2005年05月22日 19:07
myuさん、はじめまして。コメントありがとうございます!

私自身は、今の日本の学校教育のあり方自体に疑問を感じています。「論理的思考」を養うために詰め込み教育をやめよう…と気づいたのはよかったけれど、ただ時間を減らしてゆとりを作りましたというだけでは、何も変わらないどころか今までより学力が低下しているように見えるのは当たり前だと思います。もっと根本から変わらなくては…。そんな現実を踏まえて、たったの数年で「それではゆとり教育をやめます」だなんて、そんな短絡的なやり方に振り回されて迷惑するのは子どもですよね。

私自身もあれだけ受験勉強などで詰め込んできた知識が、今となっては全く記憶の中に残っておらず、実生活に役立っているとも思えず、あの時間はなんだったんだろうとむなしくさえ感じます。それでも、よい学校に入れば、よい就職先が見つかったりするギリギリの世代とも言えたのかも知れず、少しは恩恵を受けたこともあったようにも思います。

でも、時代の流れは少しずつ変わってきているのではないかと思います。学歴よりやはり個人の能力が重視される…そうなると、詰め込んだ知識だけでは世の中を渡って行けないということになりますよね。そういう意味でも、シュタイナー教育は、ただの詰め込みではない「生きた知識」、思考力、創造力、自分自身の価値観を持った人間に育つように思えて、今の私にはまさに理想的な教育に思えるのです。

でも、この記事の中で書いたように、日本の社会にどれだけ適応していけるのか、という部分において迷いを感じるのですよね。20年後、どんな風に社会が変わっているかは分かりませんけど…。夫は日本がダメなら、日本に拘らなくてもいいのでは?といいますが、海外経験の乏しい私たち夫婦ですから、子どもをポンと外国に放り出すことになるとしたら不安も感じてしまいます。

でも公立の学校を出ていたって、生きた知識や自分なりの価値観を持ち、しっかりと自分の道を切り開いていく人だってたくさんいるわけですから、やはり家庭しだいということも言えるのだと思います。


近くにシュタイナー学校がなければ、こんなに悩むこともないのですけどね…。
Posted by sayah at 2005年05月23日 21:46
理想はシュタイナーですが、やはり日本の学校にあげることを考えれば避けて通れない問題が沢山出てきますよね。
子安さんのお嬢さんが書いた本を読むと、シュタイナー学校にいて大学進学を希望しる生徒にはつじつま合わせのような勉強勉強の1学年がありますよね。

ちょうど今週、お人形の先生に会ってきます。先生はシュタイナー理論を勉強され、勉強会にも毎回出席されています。もし何かお聞きになりたいことがあれば、聞いてきますね。

Posted by myu at 2005年05月23日 22:31
myuさん、ありがたいお申し出ありがとうございます。お聞きしたいことは色々とあるにはあるのですが、上手く伝える自信がないことと、やはり「百聞は一見にしかず」ではないですが、自分の目で見て確かめてみたいという思いが大きいです。でも、それってなかなか叶いませんよね…。シュタイナー系のところは見学不可のところがほとんどのような…。

また、色々と教えてくださいね〜。
Posted by sayah at 2005年05月24日 22:30
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